マクロレンズはズーム機能がないので、ファインダーを覗いてトンボの複眼にピントを合わせて撮ります。
それをパソコンに取り込んで切り貼りしてから載せました。
三脚を使わずとも凄い写りです。
どこにトンボがいるのか分かりませんが、下に切り出してあります。
確かにトンボのメガネは水色メガネです。
私の年代で、宝石の様な美しいトンボの複眼を間近に観て魅せられ、昆虫類に興味を持
ち始めた人が多いのではないでしょうか?
でも、標本にすると翡翠の様な複眼は直ぐに黒くなり、魅力が失せるのでした。
トンボ類は肉食なので、腹部を切り開いて食べたものを取り出し、綿でキレイにしてから、竹をナイフで細くしたものを腹に通して、半透明の四翅を左右対称に揃えて、チマチマと一生懸命標本にするのでした。
それでも紙の箱と透明ナイロンで自作した標本箱から匂いが漏れるのでやめました。
その体験からチョウ類に移行して、初夏の森や野原を駆け廻る昆虫少年になるのです。
チョウ類の羽根の鮮やかな鱗粉は消えることなく残るので、チョウ類を採集しては展翅して美しく複雑な色彩を眺めていたものです。
50年も前の話、当時はゲームも無かったしプラモは高価で買ってもらえませんでした。
郊外のまだ自然が残されていた町の少年が、気軽に夢中になれる夏の風物詩とは昆虫採
集だけでした。
冬は学校の図書館で昆虫図鑑を眺め、折り紙でモザイク模様のチョウを描き、毎年ひたすらチョウ類が飛び出す春を待ったものです。
そうしている内に熱帯地方にはもと派手な色彩のチョウ類が乱舞しているのを知ったのです。
小学校3年の時に、大きくなったら熱帯ジャングルの国に住む夢を持ち始めたのです。